「はやぶさ 2 」
2016年12月05日
「はやぶさ2」二周年
twitterへのコメントをこちらにもコピペ。
【「はやぶさ2」ここがおりこう】HYB2は中型アンテナが可動式になり探査機の姿勢が悪くても32kbpsでの通信が可能となった。探査機からのテレメトリ送信量は、初号機7年分相当量をHYB2ではたった1年で達成してしまったほど。 pic.twitter.com/xP16XTV0p0
— しきしま (@shikishima) 2016年12月3日
※初代「はやぶさ」では最後に頼りになるのはどんな姿勢でも通信ができるLGA(小型アンテナ)でしたが8bpsという、とてつもなく遅い通信速度しか有りません。「はやぶさ2」ではMGA(中型アンテナ)が二軸の可動式になり探査機が姿勢を変更してもアンテナを地球に向けられるようになったので日常的に32kbpsでの通信が可能になりました。日常の通信量が飛躍的増大し探査機の状態をこれまでよりもずっと容易に把握できるようになりました。
ナイアガラの滝のように高画質画像データを轟々と降ろせる低軌道地球観測衛星と違い、日本の惑星探査機の回線はやりたいことに制限がかかるくらいに細いのです。
【「はやぶさ2」ここがおりこう】イオンEGは信頼性や自動運転の安定性も大きく向上。初号機時代の慎重すぎた運転条件制限がノウハウの取得により緩和され、極めて安定した自動運転が達成された。エンジン担当者の負荷は”激減”、とのこと。 pic.twitter.com/S6FW72KNOz
— しきしま (@shikishima) 2016年12月3日
※初号機に比べエンジンの安定性が大幅に向上し、エンジンが計画外に停まってしまうような事は無いとのこと。「はやぶさ2」のイオンエンジンには運転ノルマがあり、必要な期間内に、必要な時間だけ運転して決められた加速量を得られないと小惑星まで届きません。計画外停止の無い順調な運転は、上記の通信速度の向上と共に、運用者の負担を大きく減らしています。
【「はやぶさ2」ここがおりこう】HYB2はソーラーセイルモードと呼ばれる秘技を持っている。RWのジャイロ効果と太陽光圧を利用してエンジンを噴かさなくても姿勢を制御できちゃう仕組み。これによって推進剤の温存が可能となった。 pic.twitter.com/RXYV5FzRJ3
— しきしま (@shikishima) 2016年12月3日
※本来ならばエンジンを使わない弾道飛行中、放っておくと探査機は姿勢がズレてしまうので逐次姿勢制御エンジンを噴かして太陽電池パネルを太陽に向け直さねばいけないのです。ところがこのSSモード(ソーラーセイルモード)を使用すると、機体が勝手に太陽の方向に向きつづける様になります。R/W(リアクションホイール)も推進剤も使用量が減らすことが可能となり、小惑星への降下ミッションの日まで探査機をよりベターな状態のまま温存できるようになりました。
SSモードは初代「はやぶさ」で生み出され「IKAROS」で発展させた技術。そして「はやぶさ2」ではこの技術が日常的に使われています。「はやぶさ2」は太陽電池パネルを帆に見立てた宇宙帆船でもあるのです。
- ※参考
「はやぶさ2 スペシャルインタビュー 若き指揮官が語る小惑星を目指す旅のはじめの一歩 」
2015年05月04日
COMITIA112 新刊
新刊はすでに告知の通り「はやぶさ2」。今回はストーリーパート的な物はなく、ハードウェア中心の解説。その中で航法関係にまつわるモノに絞って描きました。

現代萌衛星図鑑の第二集も持ち込みます。 スケブ的な物は無理ですが、単行本持ってきて頂けたらサインくらいでしたら喜んでさせて頂きます。
それでは皆様会場にてお待ちしております。
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2015年5月5日 COMITIA112
G01b:teardrop
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2014年11月09日
再び、現代萌衛星図鑑。
終わりました、終わりました。
ようやくこのお知らせが出来ること、とてもうれしく思います。
前作から5年。「現代萌衛星図鑑_第二集」がご用意できました。
前集同様7機の衛星の七つの物語と、ヘカトン先生のフルカラー漫画3本(計21p)を科学ジャーナリスト松浦晋也さん監修の元、お送りいたします。
マンガは5p増し、ページ数は24P増し、そのうえ文字のポイント数を下げてテキスト押し込んでるので、前回と変わりないように見えて大幅ボリューム増。
今回はあれとそれとこの宇宙機をラインナップに加えたことで、人工衛星という存在を、色んな視点から眺められるようになったと思います。第一集と二集セットで読めば、宇宙機一点だけでない、ふんわりとした宇宙機の生態系を感じてもらえるはず。
「現代萌衛星図鑑_第二集」発売は11月19日。前回の経験から行くとamazonの在庫(だけ)はあっさり無くなり、実店舗ではダダ余りみたいな状況になると思います。「はやぶさ2」打上げ前にお手元に置きたいという方はご注意ください。
前回から五年、当時と比べ宇宙機広報が桁違いに充実し宇宙機ファンの方々の知識量がハンパでない今日この頃、どこまで受け入れて頂けるか分かりませんが、お手に取って頂けたらうれしいです。
2014年06月15日
「はやぶさ」帰還4周年を振り返る
というわけで今年も例によって「はやぶさ」ノベルの営業フェーズを展開しております。i-OS アンドロイド版 共々よろしくお願いします。 https://t.co/a629cqArqf
— しきしま (@shikishima) 2014, 6月 13
帰還から半日前「はやぶさ」今夜帰還を伝える宇宙科学研究所のカレンダー。http://t.co/HQ6WZJ9mpk この時「はやぶさ」が帰ってこられるかどうかなんて全然分からない状況ではありましたが、それでも400人程の見学者が集まり、彼らはその最後を見届ける事になるのでした。
— しきしま (@shikishima) 2014, 6月 13
4年前の今頃、地球のすぐ近くまで帰ってきた「はやぶさ」はあらゆるところがボロボロ。電子機器は放射線で駄目になってるし、カプセル分離に使う火薬も、カプセルの耐熱シールドを切り離す火薬も賞味期限切れ。カプセルのパラシュートは畳んだ時間が長すぎて保障期間をとっくに過ぎています。
— しきしま (@shikishima) 2014, 6月 13
※カプセルの中に搭載されているバッテリも保障期間切れでした。
だから、最悪「はやぶさ」はカプセルをお腹にかかえたまま分離せず落ちてくるかもね、という状況でした。カプセルが開かなくてもそれはそれで想定の範囲内。
— しきしま (@shikishima) 2014, 6月 13
そんな状況化で、村から村へ移動するのに100km移動しなければならない辺境のウーメラ砂漠に取材班を派遣したNHKは本当にえらかったのだけど、実際には生中継でなかったばかりにもの凄いバッシングに晒される事になってしまうのでした。これだけは大変に残念な話。
— しきしま (@shikishima) 2014, 6月 13
※当時「はやぶさ」のシューティングスターが観測できるかどうかは、かなりハイリスクな”賭け”だったのです。
「はやぶさ」帰還から四年が経って、しかも映画板で色んな記憶が上書きされかかっているのだけど、ウーメラ砂漠ってとてつもない辺境で回線が細くて現地がどんな状況になってるのかなんて、現地組のTwitterレポが一番早い(マスコミより早い)みたいな状況でした。動画中継なんてまず無理。
— しきしま (@shikishima) 2014, 6月 13
カプセルの耐熱シールドはシャトルの30倍の熱防御能力を持ちます。再突入体の耐熱材自体機密も多く、これも絶対に回収しなければなりません。ところが「はやぶさ」ではカプセルが高度5kmで分離して耐熱シールドは砂漠の”どこか”に落ちます。シールドは電波を出さずレーダーでも追えません。
— しきしま (@shikishima) 2014, 6月 13
※カプセルは「ヒートシールド(上)」「インスツルメントモジュール(サンプルの入ったコンテナとパラシュート)」「ヒートシールド(下)」の三つに分解する仕組みなのです。
んでは、砂漠の真ん中で直径40cmのカプセルの耐熱カバー(×2)をどうやって見つけるかというと、宇宙研には高層大気の研究をしている風読みのプロみたいな人達が居るのです。高度五キロのカプセルの分離位置から計算してシールドの落下地点を割り出し、回収を成功に導いたのです。
— しきしま (@shikishima) 2014, 6月 13
ヒートシールドっていうのはこれ( http://t.co/PW0GaTgCy3 )。シールド分離には4つの火薬が使われるのですが、これが万が一不発の状態のまま残っていると危険なので、回収者は耐爆スーツを着て作業しています。
— しきしま (@shikishima) 2014, 6月 13
以下にヘリコプターによるカプセル捜索シーケンスを示す。飛行ルートのログを見るといかに順調に捜索が行われたのかをうかがい知ることができます。夜間であり、カプセルのヒートシールドが高温である事から赤外線を使った捜索も並行して行われました。 pic.twitter.com/GsaOI5m6os
— しきしま (@shikishima) 2014, 6月 13
それにしても7年前に地球を出発した宇宙船がまもなく地球に落下するにあたり、その日付と落下地点がギリギリまで秘匿されたという当時のエピソードは十分にSFしていたと思う。
— しきしま (@shikishima) 2014, 6月 13
回収された「はやぶさ」カプセルのアップの写真 (http://t.co/RVFTbw6Mcy )。注目すべきは中央奥上面にある切断された太いケーブル。これが「はやぶさ」とカプセルをつないでいたヘソの緒であって、母船「はやぶさ」の唯一形を残したまま地球に帰ってきた部品です。
— しきしま (@shikishima) 2014, 6月 13
「はやぶさ」が最後に撮影した地球、今となってはストーリーを補強するアイテムの一つなのかもしれないけど、万が一カプセルの回収が失敗に終わっていたらこの写真が「はやぶさ」が地球に帰ってきたという数少ない物的証拠になっていたのかもしれないねえ(というかそれも見越していたんだろうなあ)。
— しきしま (@shikishima) 2014, 6月 13
「はやぶさ」の日の最後はやはりこの写真で締めよう。「はやぶさ」帰還おめでとう。そして「はやぶさ2」ミッションの成功をお祈りします。 pic.twitter.com/ceoAsyzzhM
— しきしま (@shikishima) 2014, 6月 13
四年前の思い出・・・スゴイ頑張ってプラモ作ってたな・・・ http://t.co/dRIWJKLMbX
— しきしま (@shikishima) 2014, 6月 13
おはようございます。6月14日の朝にはやはりこれを見ないと落ち着かない。 昨夜「はやぶさ」帰還を伝える当時のニュース。 http://t.co/r9ZXta7HfS
— しきしま (@shikishima) 2014, 6月 13
2013年08月17日
teardrop COMITIA105イベント対応について
ご無沙汰しております。コミケでは酷暑の中、お疲れ様でした。メカミリ島は環境に恵まれ西館の中でもわりと涼しい環境だったようで、辛いながらも何とか乗り切ることが出来ました。
差し入れの飲み物や御本、ありがとうございました。サークル参加すると自分で本が買えませんので、これだけがイベント後の自分へのご褒美になります。
さて明日のコミティアですが前回の告知通り委託として参加致します。出し物は前回と同じ「はやぶさ2」のコピー本です。
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COMITIA105
2013年 8月18日(日)
東京ビッグサイト 東5.6ホール
[と-07a] 小椋庵 (委託)
[と-13b] グループダンジョン(委託)
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しきしま自身は小椋庵さまのところで売り子のお手伝いをしております。
それでは皆様、明日は会場にてお待ちしております。